仁徳陵気球事故「メーカーが公表拒む」と堺市 別会社調査で一転公開

投稿者 記者・ 原

ブルーシートに覆われたままの気球

事故後、ブルーシートに覆われたままの気球

事故原因、特定しないまま 事業再開目指す

仁徳陵を上空から眺めると銘打って永藤英機堺市長が公約にも掲げたガス気球事業は、昨年5月にガス漏れが発覚してから再開のメドが立っていない。

そんな中、観光企画課が2月1日突然、ガス漏れ原因を特定しないまま、調査結果を市政記者クラブの報道各社に公表した。

本紙がメーカーであるリンドストランド社(英国)の調査報告書を公開するよう求めた際、「原因を特定しないまま公開すれば市民に誤解を招き、憶測を呼び、事業実施が困難になる」としていたが、今回、真逆の判断をしたわけだ。

リ社報告書は球皮や制御システムに損傷の痕跡はないと結論づけ、静電気によりバルブが誤作動した可能性を指摘。また、敷地から約160メートルの距離にある高圧電線に言及し、気象条件と相まって静電気発生の可能性にも触れていた。

一方、2月1日に観光企画課が公表した調査結果ではガス漏れ原因は不明だが①球皮の損傷②電気機器とコンデンサ劣化によるヘリウムバルブの誤作動③静電気によるヘリウムバルブの誤作動の可能性を挙げた。この調査結果はリ社が1月に会社を清算したことに伴い、運行事業者であるアドバンス社(兵庫県豊岡市)がフランスのメーカー、エアロフィル社と行った調査によるもの。

リ社報告書との違いについて野村泰生観光部長は、「2月1日公表の調査結果はリ社による検査後、さらに検証を重ねた調査結果であるため公表に値する」との考えを示した。

市は今後、事業再開を目指す意向だが、再開できるかどうかは不透明だ。ア社は高額なヘリウムガスの調達に加え、新たな機器を準備しなければならず、そのための費用が1〜2億円と試算されているため。

気球のやりとり

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記事中に掲載されている情報は掲載日(2024年3月13日)時点のものです。

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