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再開メド立たず
仁徳天皇陵を上空から眺めるため、打ち上げを予定していたガス気球は今年5月8日にしぼんだ状態で発見され、運行を延期したまま再開のめどは立っていない。
堺市は事業の実施主体であるアドバンス株式会社(=兵庫県豊岡市ほか2社)に原因究明を求めている。
気球は英国製で気球製造会社の技術者が来日し現地で調査を行ったものの、7月12日現在、しぼんだ原因は特定されていない。
「球皮に異常はなく、電気系統のトラブルが考えられるが、現段階ではそれくらいしか分かっていない」と北野雅史観光企画課長。
ガス採用の理由
もともと気球の係留運行は2021年に開始されるはずだったが、コロナ禍でガス気球設置に不可欠な技術者が入国できず、運行が延び延びになっていた。
また、世界中でヘリウムガスの需要に対する供給が逼ひっ迫ぱくし、現在も入手しにくい状況が続いている。
ようやく設置を終え、ガスも手に入ったと思ったら、今度は原因不明で気球がしぼんだままだ。
同事業では市は国内の観光やイベントで広く使われている熱気球ではなく、ヘリウムガスを用いた気球を採用した。
熱気球ならメンテナンスも国内で行え、ガスの調達に苦労することもない。実際、今回運行を担う企業も2018年に大仙公園で熱気球を上げ、2日間で延べ200人以上を搭乗させた実績がある。その熱気球ではなく、なぜガス気球を市が選択したのか。
その理由を知ろうと本紙は公文書公開請求をしたが、市は世界遺産課を通じ文書は「不存在」と回答した。
なお、堺市は21年度にガス気球運行整備事業費として大阪府からの交付金も含め2700万円あまりを支出している。内訳は樹木の移植、伐採、東屋の撤去、電源の確保、待合所の設置など。
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