[堺市南区]泉北開発当初の戸建て擁壁 6割が検査未完了

投稿者 記者・ 山本裕

写真はイメージです

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違法状態 造り替えの指導も

泉北ニュータウンで開発当初に建てられた住宅について、安全性を確認する検査を終了しないまま違法状態で放置されている擁壁が、かなりの数に上ることが堺市への取材でわかった。擁壁の検査を終了していない建物は、新たに住宅などを建て替える際、最悪の場合、擁壁ごと造り替えなければならなくなる。また、十分な強度がない可能性もあり、市は擁壁の自主的な点検を呼び掛けている。

市開発調整部によると、泉北ニュータウンは、宅地造成規制法によって宅地造成工事規制区域に指定されている。この区域では、2メートルを超える切土や1メートルを超える盛り土などをする場合、許可を申請し、工事後には擁壁の構造や強度が基準を満たしているか市の検査を受けなければならない。

ところが当時、許可を申請したものの、検査を受けていない業者が多く、その後、老朽化した住宅を建て替えようとしたところ、擁壁の検査が終了していないことを市に指摘され、予定外の擁壁工事を求められるケースが相次いでいる。

本紙が市に確認したところ、泉北ニュータウンで建て替え時などに擁壁の検査未完了などを指摘された件数は、21年度で200件の申請中、18件。19年度は165件中20件、20年度は179件中、17件と毎年1割程度が擁壁の違法状態を指摘されている。

ニュータウン開発当時の状況は詳しくは分からないが、泉北ニュータウンで宅地分譲が本格化した1973年から83年の間で、宅地造成の許可を受けた件数に対し、検査まで完了していたのは4割程度しかなかったという。

検査を受けていないからといって、全てが危険な擁壁というわけではないが、強度が足りない可能性があり、建て替えなどを行う際には、擁壁の強度の検査や補強、造り替えなどを市から指導されることになる。

当時、擁壁の検査が十分でなかったことについて、前田林成開発調整部長は「当時は社会的に擁壁の安全性への意識が低かったのだと思う」と話している。

検査が終了しているかは、市宅地安全課に問い合わせれば確認できる。

記事中に掲載されている情報は掲載日(2022年9月30日)時点のものです。

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