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堺市人事課が公開した文書によると、行政対象暴力や不当要求に対応するポストに非常勤で任用された大阪府警の元警察官は7人(2023年度)。おもに各区役所に配属されている。
では実際にどんな行政対象暴力や不当要求があったのか。その内容が分かる文書を公開請求したところ、市のすべての部署で文書は「不存在」との回答を得た。事案がないのに、ポストを設けているのは税金のムダだが、さらなるムダは実際に暴力事件があったのにその職員を活用できていないことだ。
22年11月、中区役所で起きた暴行事件(生活保護受給中の男性が同役所内で隣人の男に暴行され、その約1か月後死亡)は暴力を伴う不当要求行為であったにもかかわらず、中区役所生活援護課(宮崎規行課長)ではこれを文書化せず、事件は組織で共有されなかった。そのため、本来、対応に当たるため採用された中区役所・企画総務課所属の元警察官が事件に対応することはなかった。
他部署含め73人も
不当要求や暴力事件はどこの市町村でも起こりうる。その際は警察に連絡するが、堺市のように屋おくじょうおく上屋を架す必要はあるのか。和泉市では23年度、債権回収に元警察官をアルバイトで一人任用しているのみだ。堺市は行政対象暴力に対応するポスト以外にも他部署も合わせると73人も元警察官を抱えている。
政令市だからなのか、それとも大阪府からの要望か、と古谷貴紀人事課長に聞くと、どちらも関係ない、各課から警察官の知見を生かしたいとの要望があり任用している、と話した。
なお、元警察官は他に各区役所での時間外受付事務(11人)、総務課での宿直業務(6人)、路上喫煙等防止巡視員(4人)、斎場における管理、火葬受付(4人)などにも就いている。