堺市と和泉市だけ、長期間
行政の財務状況や支出の妥当性を市民に代わって監査する監査委員は、弁護士や公認会計士のほか、議員から選出される委員で構成される。市長から独立した執行機関であるため、市の支出が違法、不当であった場合、適正な措置をとるよう勧告する立場だ。その立場に就任した議員の所属政党を堺、和泉、大阪狭山、富田林の各市において調べたところ、堺と和泉の両市では少なくとも45年の間、共産党所属の議員が就任していないことがわかった。
一方、全議員の合議によって、その年の監査委員を決めているという大阪狭山市議会と、全会派参加の幹事長会で決めている富田林市議会では、直近10年間において保守、革新政党のいずれからも監査委員が選出されていた。
堺市議会内で議長、副議長を含む役職については「維新、公明、自民、堺創志会(立憲民主と無所属の議員合わせて5人で構成)の話し合いで決まるのが実態」と話すのは、会派に属さず10期目を務める長谷川俊英議員。自身も監査委員に選出されたことはないと語った。
また、会派人数が堺市創志会と同じ5人の共産党堺市議会議員団の森田晃一議員も「議会内の役職を平等に担えるようにすべきと主張してきたが、多数決で決められるため、共産や会派に属さない議員が就任できないことが慣例になっている」と話した。
和泉市議会での選出方法を共産党の早乙女(さおとめ)実議員に聞いたところ「市長から人事案件として議会に諮はかる前に会派の代表者会議でその年の監査委員を誰にするかを決める。議会内の多数派が中心となって決めるため、私どもは選ばれない。不公平だ」と不満を漏らした。
同じく共産党の原茂樹議員は「共産党は議長に選ばれたことはあるが、監査委員には選ばれない」と話した。