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音楽で綴る結婚式が昨年一一月四日、桃山学院大学チャペル(聖救主礼拝堂)で執り行われた。新郎は七七歳、新婦は七九歳。純白のウェディングドレス姿の花嫁と凜としたタキシード姿の花婿がバージンロードに登場すると会堂は歓喜の声に包まれた。
新婦は辻紀子さん(若松台)、新郎は佐藤篤彦さん。約六〇年前、立教大学グリークラブの先輩後輩だった二人は卒業後それぞれの道を歩むが、お互い独身になっていた。
一五年前、現役学生とOB・OGが会する同大グリーフェスティバルで再会。当時六五歳の紀子さんは一一歳の孫娘を引き取り育てていた。篤彦さんは八〇歳の実母との生活だった。
紀子さんの孫娘は大学を卒業後、一昨年四月に東京で就職し巣立っていった。篤彦さんは在宅介護していた九五歳の実母を亡くし一人暮らしとなった。お互い好意を抱いていた二人は残された人生を一緒に歩むことを決意。 和泉メサイア合唱団(団長・石田安宏さん)の副団長でもある紀子さんは、一九九五年、桃山学院大学のチャペルが出来た時に「メサイアをうたいましょう」と一般公募してスタートした「桃山学院大学メサイア演奏の会」の原点でもある同チャペルで結婚式を挙げたいと願っていたことが実現したもの。立教大学と桃山学院大学は日本聖公会系のキリスト教主義学校。
式では、紀子さんの幼友達の大西修主教が司式、補式は桃大チャプレンの宮嶋眞司祭が務めた。立会人は同グリークラブのボイストレーナーのテノール歌手(二期会)小貫岩夫さんとソプラノ歌手・美樹さん(美木多小・中卒)夫婦。
厳粛な式典の中で、参列した合唱団仲間は「アヴェ・ヴェルム・コルプス」を奉唱。会場中に響く荘厳な歌声で祝福。式最後には小貫夫妻と参列者が3パートになり「主よ平安を与えたまえ」を輪唱。華やかな式を彩った。 式後チャペルの集会室で開かれたウェディングパーティーでも参列した合唱グループが歌声を披露。圧巻はタキシード・ウェディングドレス姿の新郎新婦も参加し熱唱した「ハレルヤ」。
息の合った見事なハーモニーを響かせ、コンサートさながらの結婚式に参列者は感動に包まれた。
篤彦さんは川崎市より泉北に移り住み、すでに同合唱団に入団している。
桃大チャペルでの結婚式は原則、学生・卒業生・教職員が対象。