[金剛]古川市長が代表の「メルシー」契約など見直す|太陽光発電事業/大阪狭山市

投稿者 記者・ 藤原

※狭山市が設置した大鳥池の太陽光パネル

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不透明な発注 議会からも非難

大阪狭山市が全額出資で設立したメルシーforSAYAMA(メルシー)の清算手続きが、このほど完了した。グリーン水素シティなど新しいまちづくり構想の推進母体として設立、以来5年半。法令や要綱などを無視し迷走を続けた「メルシー問題」に一定の区切りがついた形になる。しかし構想は頓挫し、それにかかわった市職員には徒労感、市民には市政への不信感を募らせ、そして事業に巻き込まれた地区の一部住民には精神的苦痛を強いる結果となった。

「同じ過ち、もうせん」

メルシーは15年11月、古川照人市長を代表者とし、議会に諮ることなく設立。民間企業とグリーン水素シティ関連の研究会を立ち上げ、メルシーを主体とするため池等太陽光発電事業を進めてきた。

その過程で、手続きや事業発注、契約、市職員の関与など不適切で不透明な事柄が多く発生。議会から何度も説明、改善を求められたが、十分に応えることができなかった。そのため17年10月、代表である市長自らがメルシーの監査を要求する事態になった。

その監査結果報告で、不透明な事業発注や委託契約、地方公務員法抵触などが指摘された。指摘された問題の解決を最優先するとして、18年4月、グリーン水素シティ構想を取り下げ、ため池等太陽光発電事業に特化することにした。

ところが太陽光発電事業について住民監査請求がなされ、同年5月、濁り池の太陽光発電設備が不法占拠状態にあり、また売電収入の処理が不適切で、それらの是正を勧告された。また19年1月に、それらに関連する住民訴訟が提起された。

市では正常化委員会を設置。指摘された事項が正常化すればメルシーを清算するとし、契約見直しや監査結果を踏まえた是正措置などに取り組んできた。

契約の見直し実施、行政財産使用料条例を制定、財産区財産にかかわる予算計上を適正に実施したことなどから、太陽光発電事業などが正常化できたと判断。20年2月にメルシーを解散、その清算手続きを進め、21年2月24日に清算手続きがすべて完了した。

これについて市長は「市民や議会に対し不信感を抱かせるような対応を続け、市政の混乱を招いた責任は非常に重く受け止めている」としながらも、責任の取り方については「関係する全ての事務を正常化することが最大の責任」であり「最優先して取り組んできた」。そして「同じ過ちを二度と起こさないようにすることが私の責任の果たし方」であるという。

なお、ため池太陽光発電事業は、市行財政マネジメント室が対応する。また、地区住民が要望する大鳥池周辺の環境整備対策については、地元地区会地区長と調整中で、今後取り組んでいくとしている。

 

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記事中に掲載されている情報は掲載日(2021年7月16日)時点のものです。

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