この記事は公開日から1年以上経過してるため情報が古い可能性があります。
和泉市はつが野のマンションから同市下宮町の古民家に移住した夫妻が山の麓の生活を楽しんでいる。農業や、「田舎会」と称し自宅庭で夏まつりを開催。ミカン狩り・川遊びツアーを企画し、日本に昔から伝わる「家」を孫たちに伝承しようとしている。
札元(ふだもと)勝さん(68歳)は、鹿児島県出水市出身。妻の君代さんは同県の甑(こしき)島で生まれ育った。大阪で出会い結婚。東大阪や奈良などに住んだ末に君代さんの姉が甑島から父を呼び寄せて草部(堺市西区)に住んでいたこともあり、はつが野のマンションに引っ越した。
添加物を使用しない食材にこだわった豆腐製造会社の立ち上げから関わり、今も現役で仕事をする勝さんは、古民家を自分の手でリフォームしニワトリとミツバチを飼育する生活を夢みていた。三重県や和歌山県など関西エリア全域に焦点を当て、古民家を探していた。そのなかで浮かび上がったのが和泉市の古民家。
快適なマンション暮らしに満足し、勝さんの移住に反対していた君代さんだったが6年前、悪性リンパ腫を発症。死を覚悟したときに海に囲まれた故郷や周りの人情を思い出し、勝さんを応援するようになった。抗がん剤が効き今ではすっかり元気に。
2年前の1月、築約40年のすべて和泉市の木材で大工が作った日本家屋に移住。現在では、夫妻の人柄と料理上手な君代さんのもてなしで来客者が絶えない。「縁あってお世話になった方々や、これから出会う人に恩返しをしながらここが第二の私達の故郷にできたら」と。