[堺市中区]くも膜下出血の男性患者、嚥下外来で奇跡の回復 阪和第二泉北で経口摂取リハビリ

投稿者 記者・ 横山

山本さん(左)と垣内さん

山本さん(左)と垣内さん

くも膜下出血で倒れ意識不明状態が続き、呼吸困難を除去するための気管切開術と胃ろうの処置も受けた男性が、阪和第二泉北病院(中区深井北町)の嚥下(えんげ)外来を受診したことで約5年ぶりに自分でスプーンを使い食事が取れるまでに回復した。男性患者の母や姉は「奇跡!」と、驚きと喜びを隠せないでいる。

2019年1月22日、山本史博さん(富田林市)は早朝出勤後に職場近くのコンビニの駐車場で、車内で倒れているのを発見され、近隣の救急センターで緊急手術を受けた。山本さんは51歳だった。術後6か月で目を開けることはあったが意思の疎通はできず「これ以上回復の見込みはない」と、主治医が宣告。気管切開術と胃ろう(口から食事のとれない人や、食べてもむせ込んで肺炎などを起こしやすい人に直接胃に栄養を入れる処置)を受け6か月で退院した。

その後、自宅近くのサービス付き高齢者住宅での生活を送っていた。その間、母と2人の姉が毎日面会に行くと時折笑顔も見せるように。母は「食事を口からとらせたい」とさまざまな病院に受診の問い合わせをしたが、どの病院も自院で手術を受けた患者しか受け入れないと断られ続けた。

一方、阪和第二泉北病院では外科医師や歯科医師、嚥下FTの看護師、言語聴覚士、管理栄養士、歯科衛生士などがチームを組み昨年から勉強会を重ね22年から「嚥下外来」をスタート。本紙では5月25日号で同外来の始動を紹介。その紙面を見た山本さんの母が姉と相談し、外来の門をたたいた。

詳しい検査をしたリハビリテーション部の垣内公允さんたちのチームは「経口摂取(口から食事をとること)できる」と確信。ゼリー状からペースト状の経口導入を少しずつ実施。「朝、寝たきりだった弟が、お昼からこの病院に来てみると自分で食事をしていた。その姿を見て本当にビックリしました」と、姉は話す。 外来から嚥下リハビリ入院に移行した山本さんはめきめき回復。多職種でカンファレンスを行い意識不明だった時に気管切開し取り付けられた気管カニューレも抜き、現在は呼吸法を練習。切開部分を押さえながら話をするまでに。

倒れてから丸4年間、半ベッド・車椅子生活だったが、今は立ち上がりや歩行、パソコンを打つリハビリも受けている。「元気になったら焼き肉を食べて、スキーもしたい」と、途切れ途切れに話す。56歳になり回復をしている山本さんは母と姉に「ありがとう」と感謝の言葉をかけていた。

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泉北コミュニティ2023年5月25日号

記事中に掲載されている情報は掲載日(2023年11月10日)時点のものです。

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