美多彌神社で約720年前から奉納されていたと伝わる流鏑馬(やぶさめ)。この伝統文化を復活しようと13年、保存会が結成された。会員らの熱意が実を結び、翌14年3月、第1回流鏑馬まつりとして復活。コロナ禍の延期を経て、これまで3回の開催を重ねてきた。保存会では今後の継承と、次世代を担う人材の育成にも力を入れて活動している。
流鏑馬は疾走する馬に乗りながら鏑矢(かぶらや)で的を射る日本の古式弓馬術。中世に地元の豪族だった和田(みきた)氏が残した「和田家文書」の記述から、当時、和田氏が小武士団を形成し流鏑馬などの訓練で、軍事力を高めていたと考えられている。その後、近世では悪疫退散などを祈る神事として引き継がれたが、いつからか行われなくなったという。
流鏑馬の復活を機に、地域文化遺産次世代継承事業として保存会では「美多彌神社子ども流鏑馬礼法講習会」を開講。文化庁の支援も得て、弓馬術礼法小笠原教場の指導の下、地域の小学5・6年生が古武道を通して武士の精神と礼法、弓の技術を学んでいる。
3月には9期生が、修了式で成長した姿を披露。藤田茂会長は祝辞で「成長した子ども達の姿が何よりうれしい。多くの人の協力を得て、若い世代につないでいきたい」と語った。
Information
以下の情報は2023/06/22時点のものです
美多彌神社
- 電話番号
- 072-297-1179
- 住所
- 大阪府堺市南区鴨谷台1-49-1