〈前回のつづき〉
白いポンチョを羽織り、ノルディックウォーキングのポールをついて歩くのが桧尾(ひお)さん(津々山台)の万博スタイル。当初は各パビリオンスタッフだけにサインをもらうつもりが、ゲートの受付スタッフや迷子センターのスタッフも自ら「サインしたい」と申し出た。興味を持った一般客が案内してくれたり、居合わせたテレビのロケやブロガーに取り上げられたりもした。 中でも一番印象に残っているのは兵庫県の教員の男性。駆け寄って手を握り「私は子どもたちにこれをしたかった。この発想が目指していた教育方針なんです」と感激してくれたという。「〝やって良かった〟と心底思えた」と、桧尾さん。
素敵な出会いがあった反面、今回の万博には〝愛〟が欠けているとも感じたそうだ。弱者への配慮が不十分なことや、海外パビリオンの臨機応変な温かさと対照的に日本パビリオンの規律重視の冷たさを感じたという。また、8月末には目標の来場10回を達成、その後も通い続けた。白いポンチョには多くの寄せ書きと海外パビリオンから贈られたピンバッジが輝く。桧尾さんの万博の思い出そのものであり、国際交流の絶好の場で平和の架け橋になった貴重な品だが「このポンチョを墓に持っていく気はない。自分だけの宝物にせず、最終的には大阪府などに寄贈するなどしたい」と桧尾さんは語った。
2013年、当時74歳だった桧尾俊明(ひおとしあき)さん(当時は久野喜台在住)が「ノルディックウォークで東海道500キロ完歩」を成し遂げたとして、本紙で取材した(その後、中山道も踏破)。 そんな〝挑戦する人〟桧尾さん(現87歳・津々山台)[…]


