3月13日、第51回大阪府医療審議会病院新増設部会が開催された。
同部会は病院の開設や病院の病床数の増加等の調査審議を行う会議である。
今回の議案である「近畿大学病院跡地の新病院の開設」については、2月12日の令和6年度大阪府南河内保健医療協議会での合意を経て審議された。同部会は医療法人せいわ会(大阪市生野区)が近畿大学病院跡地(大阪狭山市大野東)に計画している新病院の開設を「府域全体として病床数が増加しないこと、地域の合意を得られていることから、医療法に基づく開設中止勧告の対象としない」として正式に承認した。
医療法人せいわ会は「入院に特化した回復期病院」として南河内二次医療圏のリハビリテーション医療への貢献を最大の目的に、地域医療機関との役割分担・連携等を中心とした事業計画を次の通り示した。
新病院の建設予定地は現近畿大学医学部グラウンド跡。病床数は回復期リハビリテーション病床119床、診療科はリハビリテーション科、内科。
今後は2025年11月に近畿大学病院が泉ヶ丘に移転後、26年1月に新病院工事に着工、27年4月の開院をめざす。
主な取り組み内容は
▽近畿大学病院や地域の急性期病院と連携により急性期病院での治療終了後、自宅に帰るまでの機能回復に向けた支援や、リハビリテーションを終了し退院後の医療はかかりつけ医に見てもらえるよう地域医療機関と連携する
▽救急から在宅支援・社会参加に至る継続的なリハビリ支援が重要な地域包括ケアシステムの推進に向けた多機関連携を行う
▽人々が住み慣れた地域でその人らしく暮らしていくことを大切にし、高齢者の介護予防、訪問リハビリテーション、通所リハビリテーション等の地域におけるリハビリテーション活動等を通じた自立生活の安定化、生活の質の維持・向上に取り組む。
最近では、身近な診療所、かかりつけ医が減少する中、南河内地域に密着した回復期医療の充実を担う病院としての期待が高まる。
医学部施設跡などの開発計画は未公表
なお、現在の医学部施設がある北側と看護専門学校がある西側は、商業施設の整備などを大和ハウス工業が担当することとなっており、現施設解体などスケジュールや具体的な開発計画はいまだ公表されていない。