「今度一緒にゴルフしようや」。同窓会で再会した、先生と生徒の何気ない会話で始まったゴルフ大会が、60回目を迎えた。
メンバーは、大阪狭山市立狭山中学校74年卒業生と元教師の澤田宗和さん(84歳)。大会名は、先生の名を冠して「澤田杯」。08年に第1回を開始してから、年に4回のペースで開催。途中、コロナ禍の影響で1年間の休止もあったが、昨年11月、ついに60回目の開催を迎えた。
当初、8人で始めた同会は、60回には16人に増加。「皆に会うと、一瞬で中学時代にタイムスリップします」と、うれしそうに語る。卒業から半世紀経ち、生徒らも還暦を越えた。「ゴルフ場の人に、『どなたが先生ですか?』と言われます」と、笑う。
「こんな年になっても、生徒と一緒にいられるなんて、教師としてこんな幸せなことはない」と、目を細める澤田さん。ゴルフコースを回る体力を養うため、自宅近くにある寺ケ池周辺の散歩は欠かせない。
「100回の開催を目指して、年4回を6回に増やそうと思っています」と元生徒らが語ると、「無茶言うなや」と笑いながらも、「皆のためにも頑張らんとダメですね」と、背筋を伸ばす。数十年の時を越えて再び結ばれた、先生と生徒らの固い絆は、これからも続く。
記事中に掲載されている情報は掲載日(2025年4月1日)時点のものです。