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市教委、再発防止策を検討
今年4月の公立高校の一般選抜入試の合否判定で使われた受験生の調査書(内申書)が、堺市立中学校3校で誤って作成され、この影響で2人の生徒が不合格になった。そのため堺市教育委員会が、調査書誤記載検証委員会を設置して原因究明や再発防止策の検討を進めている。
4月21日の市教委の発表によると、調査書に記載される9教科の5段階評定について、3校75人分で実際とは異なる評定が記載されていた。大阪府の公立高校入試では、中学3年間の評定が点数に換算され、筆記試験の点数と合わせて合否判定される。
発覚のきっかけは卒業生の保護者からの指摘で、中学校が調査票を確認したところ、22人の生徒の調査票に誤りがあることが分かった。このため中学校は高校に提出した調査票を訂正。すると、不合格だった生徒1人が合格となった。
さらに、市教委が市内の全中学校を対象に調査したところ、別の2校でも53人分の調査書で誤りが見つかった。この中の1人も評定の訂正の結果、不合格から合格となった。
評定の誤記載は、府教委の調査書作成ソフトに入力するデータを、作成する際のミスが原因。入力担当の教員が、マニュアルの手順を確認せずに作業を行っていた。複数人でのチェックも怠っていた。
その後も、別のシステムへの入力ミスによって、部活動や委員会活動に関する記述の誤りもあったことが判明。12校、59人分の調査書に誤記載があったが、合否に影響はなかった。
5年間で151人分も
また、市教委は2016年から21年度の5年間で計151人分のミスが見つかっていたものの、「合否には影響がなかった」として公表してこなかったことを明らかにした。
検証委員会は弁護士や大学教授、私立高校の校長、保護者の代表ら5人で構成。8月下旬の報告書作成を目指している。