この記事は公開日から1年以上経過してるため情報が古い可能性があります。
糖尿病外来・内科「ぽらんのひろば井上診療所(庭代台)」の井上朱實(あけみ)院長が手がけた絵本「さっちゃんのめがね」が幻冬舎から出版された。今まで見逃されていた子どもの視力の発達と弱視を、多くの人に知ってもらいたいと制作された1冊。3歳のさっちゃんがめがねをかけるまでを、さっちゃんの目線で、可愛らしい色彩で描かれている。専門医の分かりやすい解説も。
弱視の子どもは、明瞭に「見える」体験をしていないので自分が「見えない」とは言わない。親も気がつかないことが多い、と井上院長。屈折異常を伴う弱視の発見には屈折検査を含む眼科検診が必要だ。
絵本誕生のきっかけは3歳児健診でめがねをかけ始めた女の子の一言。その子が成長して大人になり、お母さんから「眼が悪かったのに、保育園にお迎えに行った時、お母さんをどうやって見つけたの?」と、聞かれ「おかあさんの声と匂いで」と。友人の眼科医がかかわってきた仕事の中でのこのエピソードを知り感動。絵本で表現したいと言葉を書き始めた。
絵は、以前から知り合いで、澄んだ色彩画を描く小北美子さんに依頼。さっちゃんの視線など細部にこだわった。
出版後、「絵本を見て、健診に行きめがめをかけ始めて落ち着いた」などうれしい反響も多い。井上院長は「障害を持つことではなく、障害のために起きる暮らしのゆがみが不幸であることが分かってもらえたら」と
絵本は、アマゾンや同診療所でも購入可能。問い合わせ072-349-3987