6月から堺市立の中学校で全員喫食の給食が始まる。市内全中学校の調理をまかなう「堺市第1学校給食センター」(中区八田西町)と「堺市第2学校給食センター」(南区桃山台)が3月末に完成。4月21日、第1センターで開所式と見学会が開かれた。両センターとも、衛生面を考慮した最新の調理設備と調理室、テクノロジーを導入。第1センターは1万6千食の調理能力を備え、全国有数の規模。第2センターは8千食の調理能力を備え、中学校14校に配送する。
式典で、関百合子教育長は「食育は健やかな心身や健全な心を育むことに大きな影響を及ぼします。96年のO−157堺市学童集団下痢症を教訓に衛生管理を徹底し、堺市だからこその安全安心な給食にしていきたい」と、あいさつした。
第2学校給食センターの調理ゾーンでは15基の回転釜、4台のパススルー式スチームコンベクションオーブン、連続フライヤーを完備。荷受けから下処理、調理、積み込み、配送までワンウエイ動線を確保。また、屋根全体に太陽光パネルが設置されセンターの約22%の電力を賄うのは第2センターのみの取り組み。 両センターとも、配送・回収口がトラックと密着するドックシェルターを採用。
料理の温度も管理
調理エリアへの入室時のエアシャワーや、床を色分けしたゾーニング、加熱した食材を衛生的に冷却し、冷たい料理は冷たく、温かい料理は温かく、すべて加熱した料理が提供される。
炊飯設備の確保により、ご飯を中心とした和食献立を提供。同市産の食材も使われる。アレルギー対応食専用調理室が完備され専任の栄養士と調理員が安全に除去食を調理。
また、年間約44トン出る予定の廃食油は回収しSAF(SustainableAviationFuel、持続可能な航空燃料)に利用。各中学校にはAI食事管理アプリが導入され、生徒自身が栄養バランスを可視化できる取り組みを実施する。
第2給食センターは、泉ヶ丘東・平井・登美丘・野田・福泉・福泉南・宮山台・若松台・三原台・晴美台・原山台・庭代台・赤坂台・美木多中学校の給食を調理。6月2日からスタートする。