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世界遺産に登録された仁徳天皇陵古墳(大山古墳)など、古墳群を上空から眺められる気球遊覧事業を進めている堺市は、早ければ今年の早い時期にも試験実施を開始できるとの見通しを示した。既に事業者も決まり、昨年秋ごろから実施する予定だったが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で遅れていた。
永藤英機市長が11月17日の定例記者会見で明らかにしたところによると、遊覧に使われるガス気球は英国の工場で製造されており、新型コロナ対策による人員不足や、世界的な半導体不足で製造が遅れている。
また、気球の係留施設の設置にあたっては英国の技術者の現地立ち会いが必要だが、来日のめどが立っていない。日本に気球や設備などを運搬する船舶の手配も、世界的なコンテナ不足などで遅れている。
乗り場となる仁徳天皇陵古墳南側の大仙公園内でも、係留施設や乗り場の整備が遅れた。
市は英国からの技術者や気球などの到着の時期が決まり次第、安全運航のための訓練などのスケジュールを業者と調整し、開始時期を公表する予定。市は今年のできるだけ早い時期に開始したいとしている。
計画ではヘリウムガスを使った気球を昇降機で地上百数十メートルまで上昇させ、仁徳天皇陵古墳をはじめ大小の古墳が点在する堺市内を市民や観光客に展望してもらう。気球には最大31人が搭乗できる。
事業は、クロスプロジェクトグループ アドバンス(兵庫県豊岡市)と栗生総合計画事務所(東京都文京区)の2社が共同で実施。
運航は1年間の試験実施となるが、遺産影響評価の結果や利用者の反応などをみて、最長で10年間、事業を継続する。