「すごい心にほっこりくるんです。涙を流す方もいる。私はいい楽器に出会ったなと思う」。土から作られる楽器、オカリナの温かい音色に自身も癒やされ、今度は周りの人へ広めようと、22年間で700回を超えるボランティアを続ける高橋公世さん(73歳・晴美台)。
彼女と音楽との出会いは、幼少期、お土産にもらったアコーディオンでの演奏だった。和歌山の熊野で育った髙橋さんは初めて人前で演奏し、観客の笑顔と拍手に「音楽って笑顔になれるんだ」と実感したという。
時が経ち、姉の死を機に楽しい趣味をと、50歳でオカリナに挑戦。その後出会いに恵まれ、チェロ・カリンバ・パーカッションの仲間と共に「びばる〜ん」の一員としてボランティア活動を始めた。580回の公演を迎えた年に堺市民生功績賞を受賞し、出演依頼が殺到する中、過労から難病を発症する。
演奏を諦めかけた時、医師から「腹式呼吸は体に良い」との勧めでオカリナを再開。現在は闘病しながら、オカリナデュオ「ふく福」、フルートとピアノとのトリオ「和三音(なごみね)」の仲間と共に、和泉市と堺市を中心に月2回ほど、奉仕公演を継続している。
長く続けるボランティアについて「喜んでもらえると、こっちが幸せになる。観客の笑顔がうれしくって。その光景を見たくて行っているようなものです」と語る高橋さん。音楽と出会った幼い頃の気持ちを胸に、幸せを多くの人と分かち合いたいという純真な思いを抱きながら、高橋さんはこれからも活動をしていく。

