所得税の課税誤りが原因で、南区の住民が国保料194万円余りを過徴収された問題で、堺市は国保料を返還しない方針を12月15日の市議会健康福祉委員会で重ねて示した。
北区選出の長谷川俊英議員(会派に属さない議員)が三たび、市の対応を質したのに答えたもの。
市は返還できる保険料は法令で2年分と規定されており、それ以上遡って返還できない、これまでと同じ答弁を繰り返した。
豊能町は独自に要綱定める
だが、同議員の調査によると、大阪府豊能町では南区とほぼ同様の(所得税課税誤りによる)事例で国保料を返還できるよう、独自に要綱を定め、額の多少にかかわらず返還の道を拓いていることが判明。
さらに、市が厚労省に法の規定を超えて返還することに対する見解を問うた際、同省は「市町村における事務処理誤りなどにより、過誤納金相当額を独自事業で被保険者に返還することは自治体の判断による」と回答、自治体の対応に余地を残した。(傍点本紙)。
豊能町のケースはこの見解の「など」に当たると考えられる。同議員は新たな事実が判明したことで、市に再考を迫ったが、市は「法令に従った」「市に瑕疵(かし)(落ち度)はない」の一点張りで押し通した。
永藤英機市長も、「国の制度の問題で市の一般財源を投じることは適切でない」と突き放した。法令に従うのは当然だ。そのうえで、当事者のために何ができるか知恵を絞るのが基礎自治体の役割だ。
過徴収された南区の当事者Aさんは、本紙の取材に「私と同じケースで豊能町では救済されるのに、なぜ堺市ではできないのか」と、市の対応に不満をあらわにした。

