近大移転で窯跡がピンチ 守る会が29日セミナー

投稿者 記者・ 山本裕

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協力を呼びかけ ビッグアイで2時〜

 泉ケ丘駅前への近畿大学医学部移転とビッグバン後背地への都市公園移転によって、多くの須恵器窯跡が消滅の危機にある問題で、泉北の歴史愛好家グループが窯跡の保護を訴え、「守る会」を結成。市民に協力を呼びかけることになった。29日(土)に歴史セミナーを開催する。

 会の名称は「すえむら濁池(にごりいけ)の窯跡を守る会」。泉北ニュータウン学会・歴史部会のメンバーら泉北に住む歴史愛好家らが中心となる。

 泉北地域を中心とした堺市、和泉市、岸和田市に広がる一帯は、西暦400年頃から平安時代に至るまでの500年間、須恵器の一大生産地で、1000基以上の窯がつくられた。

 窯では皿や甕(かめ)、壺などさまざまな須恵器が作られ、日用品のほか、古墳などで行われた祭祀に使われていた。須恵器は、その特徴から遺跡の年代を推測する手がかりとなり、仁徳天皇陵古墳など百舌鳥古墳群での祭祀に使われた須恵器も、泉ヶ丘周辺で作られたことがわかっている。

 須恵器の窯跡は、泉北ニュータウンの開発に先立ち府教委などが調査を実施。その後は一部を埋め戻しただけで、ほとんどが造成のため破壊された。それだけに、田園公園とビッグバン後背地は窯跡が破壊されずに残された貴重な地域。

近大予定地には8基も

 近大予定地である田園公園と府営団地用地には8基の窯跡が埋まっていることがわかっており、医学部と病院建設によって、ほとんどが破壊されるとみられる。田園公園の代替公園として整備されるビッグバン後背地にも、濁池周辺を中心に13〜16基あるとみられる。

 会はセミナーを開いて、市民に窯跡のことを知ってもらうともに、窯跡の調査と保護、情報発信施設の建設などを市に求めていく。

 セミナーは29日午後2時から、泉ヶ丘駅前のビッグアイで「須恵器の郷 窯跡はどうなるの?」。定員50人。会費は200円。問い合わせは同学会事務局、西田さん090・1140・2606

記事中に掲載されている情報は掲載日(2019年6月7日)時点のものです。

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