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55年の歴史を持つ「半田松寿会冠句(しょうじゅかんく)会」。冠句とは、与えられた5文字の「冠題」に対し、7・5を付け加えて句を完成させるもので、庶民の娯楽として江戸時代に始まった。俳句と同じ5・7・5の句だが、季語や特別な決まりはなく、日々の暮らしや世情などを自由に詠むのが特徴だ。
会では、あらかじめ提出された句の中から、6人の選者がそれぞれ優れた句15句を選定し、読み上げる。その中から最も優れた句(天座)に選出された人には、丁寧に手作りされた句集が贈られる。この日の天座の一つ『襟正す 今日の命に 添う介護』に対し、選者から『添う介護 触れ合う腕に ある温み』と句が返された。日々老いる自分をユーモラスに描いた句や、社会情勢を憂う句。一句読み上げられる度に拍手や感嘆の声があがる。『人災だ 定年夫 家事をせず』の句には、全員が大笑い。和気あいあいと楽しげな時間が流れた。
同会では現在13人が在籍するが、メンバーの高齢化問題に直面。「伝統の灯を消したくない」と切実だ。
メンバー募集中。奇数月の第1日曜1時〜3時。風ふう輪りん寺(大阪狭山市半田)本堂で。会費は1回最高600円。「見学、体験などお気軽に。初心者大歓迎です」と。笹原さん072・365・3400
(記者・山本こ)