南老人福祉センター(旧せんぼく苑、御池台)の入浴事業が2025年3月、終了することが決まった。利用者の減少や浴場設備の更新費用が多額であることから2020年3月に策定した「堺市立の高齢者福祉施設のあり方に関する基本指針」に基づき、同市すべての老人福祉センターで終わるもので北老人福祉センターの入浴事業はボイラー設備故障によりすでに終了している。
同センターは、高齢者の生きがい作り、閉じこもり防止、身体機能向上などを目的に60歳以上の市民に無料開放されている。南老人福祉センターは1973年、同地にあった第二清掃工場(後のクリーンセンター南工場)のゴミ焼却の余熱を利用した大浴場が、温泉気分が味わえる自慢の施設として新設された。その後は南工場の廃止に伴い、ボイラーで稼働。センター内には、ビリヤードから派生したバンパー台などが設置され、ここで多くのサークルも誕生。現在は、社会福祉法人南の風が指定管理者となり管理している。
利用者は同事業終了を受け、同市長寿支援課からの説明会を開いたり、同事業の存続を求め陳情書も作成し事業終了に反対。しかし、同市では入浴利用者の固定化が進んでいることや、入浴設備が耐久年数を超え更新時期を迎えているが、更新に多大な公費負担がかかることなどを理由に入浴施設は幕が引かれることになった。