堺市環境共生課が実施した今年度の市内河川の水質調査により、南区を流れる和田川・檜尾橋測定地点での有機フッ素化合物PFOS、PFOAの含有量が1リットル当たり66ナノグラム(1ナノグラム=10億分の1グラム)だったことが分かった。
同物質は環境や食物連鎖を通じ、人の健康や動植物に悪影響を及ぼすとされる。
環境省は河川や港湾などの公用水域や井戸水での暫定目標値を厚労省が定める水道水の基準と同じく1リットル当たり(PFOS、PFOA合わせて)50ナノグラム以下としているが、同測定地点での数値はこれを超えていた。なお、市内水道水の取水域では暫定目標値を超えていない。
原因特定できず
和田川檜尾橋地点では2022年度の調査でも暫定目標値を超えていたが、環境共生課によると、現在も原因は特定できていないという。汚染原因となるフッ素化合物は現在においては、原則製造、輸出入、使用は禁止されているが、規制以前の製品や汚染物質除去に用いられた活性炭などに残留し、地中に漏出したとされる事例が他県で明らかとなっている。
南部丘陵を流れる和田川流域はヤマトサンショウウオ、カジカガエル、オオミズゴケといった希少動植物の生息域。
記事中に掲載されている情報は掲載日(2025年1月29日)時点のものです。