税務署が所得税の課税額を誤ったために、本来支払う必要のない国民健康保険料を過徴収され、返金してもらえない事例が南区であった。
Aさんが税務署から所得税の更生決定を受けたのは昨年の6月。2016~21年の所得税が実際より多く課税されていたとして、過徴収分が還付された。これに伴い、堺市も当該期間の市民税額を変更し、過徴収分を昨年11月に還付した。
ところが、税額に応じて賦課される国保料は2年の返還期限が過ぎているとして、市は5年間の過誤納金分194万円余りを返還しない方針だ。
Aさんは昨年10月、南区役所保険年金課を訪れ、納得できない旨を伝えたが、市は過誤納金還付の時効は2年で、法に従った結果だ、とつれない態度を取り続けている。
Aさんにまったく落ち度がないにもかかわらず、あまりに不条理、と北区選出の長谷川俊英議員(会派に属さない議員)が市議会健康福祉委員会で2度にわたり取り上げた。
他自治体では時効の2年を過ぎても返還できるよう、独自に要綱をつくって対応するケースもある。その点を井上京子・国民健康保険課長に問うと、要綱をつくることは考えていない。返還する予定もない、と回答した。
議会答弁で当局は要綱制定の多くの自治体は「市の瑕疵(かし)(落ち度)」によるものに限られ、国税当局の瑕疵を想定した要綱は確認されていない、と主張。「市の瑕疵」でないことを理由に、返還しないなどと偏狭(へんきょう)な議論に持ち込んでいる。

