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10月から実施
駅前や施設周辺に用意された電動自転車を、誰でも有料で借りられるシェアサイクル事業の実証実験を泉北で2020年から行っている堺市は、事業の効果が見込めるとして、エリアを堺市内全域に広げて本格的に事業展開することを決めた。9月に事業者を決め、10月から実施する。
シェアサイクルは、駅前や公共施設などにポートと呼ばれる駐輪場を設置し、有料で電動自転車を貸し出す。自転車は15分単位で借りることができ、どのポートに返却してもよい。
市は現在、全国でシェアサイクル事業を手がけているOpenStreet(東京都港区)と協定を結んで実証実験を行っている。
実証実験は当初、百舌鳥・古市古墳群などへの観光客を主な利用者と想定し、堺区を中心に21か所のポートを設けて2020年3月にスタートした。その後、買い物や通勤・通学の手段として泉ケ丘駅周辺にポートを設置したところ、利用者が増加。公共交通機関を補完する住民の足として、定着しつつある。
こうした泉北での利用状況を受け、市も各区で駅前や区役所などの公共施設にポートを増設。現在は市内各区に90か所のポートを設置している。
市によると、ポートの増加とともに利用者が増え続けており、泉北では駅と近隣センター間での利用者が多い。堺区でも南海の堺東駅と堺駅の間での利用が多く、駅を中心とした短距離移動の手段として使われていることが分かる。
このため、市は観光目的よりも、駅や区役所、公共施設などを結ぶ、住民の移動手段としてのニーズが高く、採算が取れる可能性が高いと判断。本格的に事業化することを決めた。
事業化にあたって、市はこれまで通り、市施設など市有地の一部をポート用地として無償で提供する。
事業の課題は採算性で、市自転車企画推進課は「今後も事業者と協力して、黒字化を図っていきたい」としている。