寝たきりで通院が困難なケースや、ターミナルケア(=終末期を穏やかに過ごすための医療、看護、介護ケア)で在宅療養の需要が急速に高まる中、供給は十分なのか。堺市健康医療政策課に聞いた。
南区は堺市のほかの区に比べ、高齢化率が35・4%と高いが、在宅療養支援を提供できる施設数が少ないのが現状(=表参照)。
表に示した施設は、24時間往診可能な体制や緊急時の入院体制の確保等、いわゆる「施設基準」を満たす医療機関で、患者が在宅療養を選択する際の要件とすることが多い。
だが一方で、こうした基準が医療機関が施設基準を満たす施設としての届け出をためらう原因の一つとなっていると同課は見ている。特に診療所では常勤医師が少ないため、1人の医師にかかる負担増が影響しやすい、とも。
近年はターミナルケアの需要が高まり、訪問診療では看取り件数が増加している。市では患者のQOL(生活の質)向上を図るため、どんな対策を講じているのだろうか。
同課によると「堺市地域医療情報ネットワークシステム」(入院時の検査結果や治療歴等を身近な医療機関で参照可能とする)の活用促進に取り組むほか、患者本人や家族、医療・ケアチームが話し合い、最期を迎えるにあたっての思いや医療、介護方針を共有する「人生会議(アドバンス・ケア・プランニング)」の普及を目指す、とのこと。
とはいえ、終末期の病状は刻一刻変化し、それにより患者の気持ちにも変化が起こる。共有事項に縛られぬ柔軟性も求められそう。

