<速報>近大移転で”公園つぶし”、都計審全員が賛成

投稿者 記者・ 山本裕

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 近畿大学医学部と附属病院の移転用地として、都市公園の一部売却を計画している堺市に対し、地域住民が売却の中止を求めている問題で、市都市計画審議会は16日、売却の前提となる公園廃止案について、付帯意見を付けて全会一致で可決した。今後、市は売却に向けた手続きに入り、今年秋には土地売却のための議案を議会に提案する見通し。一方、売却に反対する住民の間には、訴訟を検討する動きもある。

 16日の都計審では、近大に売却する用地の公園用途を廃止し、代わりにビッグバン南側に公園用地を設定するという市の都市計画変更案について審議した。

 委員には南区選出の市議が2人含まれ、吉川敏文市議(公明)は「用地の確定にあたって、あらゆる可能性を検討し、住民の生活などに支障がでないよう最大限努力したのか」などと市の姿勢をただしたうえで、「不安を訴える住民に対する説明が抽象的過ぎる」と指摘。「住民の声をよく聞いて、説明することが大切で、住民の不安を解消してほしい」と注文をつけた。

 また、三宅達也市議(維新)も「住環境が変わる住民に対し、住民へのメリットなどを分かりやすく説明することが大切だ」と指摘。また、他の委員から「緑地の確保や地域貢献といった約束を守るよう、市は近大に求めることができるのか」との疑念も示された。

 これに対し、市ニュータウン地域再生室の山本浩史室長は「今後も住民の声を聞きながら公園整備や周辺の渋滞対策などを検討していきたい」とするとともに、「土地譲渡にあたっては、緑地確保や地域貢献などについて近大と協議を行い、協定を結びたい」とした。

 また山本室長は、ビッグバン南側の公園予定地の濁池(にごりいけ)の堤防沿いにある須恵器窯跡については、「そのまま残す方向で検討している」として保存する意向を示した。

 この日の決定について、公園売却に反対する住民グループの前川賢司代表は「周辺住民の強い反対の声が議論に全く反映されなかったことに失望した。住民の意見も聞かずに、府と市と近大だけで公園売却を決めてしまったという問題を、もっと議論してほしかった」と。前川代表は、今後も公園売却の撤回を求め、提訴も視野に活動を続けるという。

 

都市計画審議会メンバー
会長 増田 昇 学識経験者 大阪府立大学名誉教授
委員 伊藤 嘉余子 学識経験者 大阪府立大学教授
委員 内田 敬 学識経験者 大阪市立大学教授
委員 太田 照美 学識経験者 京都産業大学教授
委員 嘉名 光市 学識経験者 大阪市立大学教授
委員 藤本 英子 学識経験者 京都市立芸術大学教授
委員 正木 啓子 学識経験者 日本都市計画学会関西支部顧問
委員 前田 寛司 学識経験者 堺商工会議所会頭
委員 田中 宏 学識経験者 市農業委員会会長
委員 森田晃一 市議会議員 共産(西区)
委員 井関貴史 市議会議員 維新(堺区)
委員 三宅達也 市議会議員 維新(南区)
委員 池田克史 市議会議員 維新(北区)
委員 水ノ上 成彰 市議会議員 維新(西区)
委員 西村昭三 市議会議員 自民(堺区)
委員 宮本恵子 市議会議員 公明(北区)
委員 吉川敏文 市議会議員 公明(南区)
委員 吉川 守 市議会議員 堺創志会(北区)
委員 橋本 卓 関係行政機関の職員 大阪府警 堺市警察部長
委員 山本 重信 市長が適当と認める委員 市自治連合協議会会長
記事中に掲載されている情報は掲載日(2019年7月17日)時点のものです。

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