特別養護老人ホーム・故郷の家(檜尾)で2月25・26日「老いと演劇のワークショップ」が開かれた。
高齢社会の課題を演劇の切り口でアプローチする「OⅰBokkeShi(オイ・ボッケ・シ)」の菅原直樹さんを講師に迎え、ワークショップでは職員と利用者は役者となり名演技を初披露。職員は認知症ケアに演劇的手法を取り入れる方法などを学んだ。
OⅰBokkeShiは俳優で介護福祉士の菅原さんを中心に、2014年に岡山県和気町にて設立された。「老人介護の現場に演劇の知恵を、演劇の現場に老人介護の深みを」をコンセプトに高齢者や介護者と一緒に作る演劇公演や、介護ケアに演劇的手法を取り入れたワークショップを全国的に展開している。
同ホームでの職員勉強会を兼ねたワークショップは、栂文化会館の指定管理者・公益財団法人堺市文化振興財団のコーディネートで実現したもの。
25日の職員対象の勉強会では41人が参加。介護する職員と利用者の立場になる演技実践では主演女優賞レベルの職員も。
次の日は利用者も挑戦。ジェスチャーゲームで気持ちを解きほぐすと、舞台は卒業式に。菅原さんは、車椅子の男性利用者を校長先生役に指名。参加した15人の利用者の一人ひとりの名前を職員が読み上げ、校長先生から卒業証書を手渡される風景を演じた。演出で流れる「仰げば尊し」の曲に合わせて自然と合唱になる場面もあり、参加利用者からは「こんなんやったなぁ」と感慨深い声。
また、認知症の利用者の世界観を介護者がどう受け入れるかなども演じてみて実感するプログラムも実践した。
菅原さんは「介護が必要になった人でも感性は変わりません。演じてみることで豊かな感性に寄り添えたら。2日間のワークショップを通して故郷の家の職員の介護力の高さにも驚きました」と話していた。
Information
以下の情報は2024/12/16時点のものです
特別養護老人ホーム 故郷の家
- 電話番号
- 072-271-0881
- 住所
- 堺市南区檜尾3360-12