羽子板から飛び出んばかりに、立体的に飾り付けられた歌舞伎役者や武将。これが、江戸時代から続く伝統工芸「押絵」である。
大原美知子さん(西山台)の母・西浦米峰(べいほう)さんは、沖縄や東北など全国に500人もの弟子を持ち、海外にも名を馳(は)せた押絵作家だった。リアルさを徹底的に追及し、決して妥協を許さなかった。押絵で使う絹布を納得のいく色に染めるため、染色技法を東京まで習いに行き、作品の女性がつけるネックレスには、本物のダイヤモンドを使うこだわりようだった。その作品は高く評価され、現代手工芸作家協会と人形美術協会から特別功労賞を受賞。制作活動の他、弟子の指導や個展の準備など多忙を極める中、ある日病に倒れた。大原さんは、母を支えるため小学校教諭の職を辞したが、間もなく他界。享年77歳。「4月からまた(押絵を)始めるから」が、母の最期の言葉となった。
「〝米峰〟の名を終わらせたくない」との思いから、大原さんは二代目米峰を継ぎ、母の愛弟子から押絵の手ほどきを受けた。「やればやるほど、母の偉大さがわかります。一生母には追い付けない」と語る。それでも、愛する母の遺志を継ぎ、「日本の伝統工芸を若い人につなげていきたい」と制作に励んでいる。
今回、押絵を学ぶ6人の仲間とともに、母の遺作展以来、20年ぶりとなる作品展を開催する。
「米峰会押絵作品展」は、5月2~4日、10時半~4時、大原さん宅(西山台1-8-14)で開催。先代米峰さんの作品も多く展示。入場無料。バス停「西山台北」から徒歩3分ほど。車で来場する際は、事前に連絡を。
問い合わせは、大原さん090・3945・6092




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