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堺市南区富蔵の建設会社敷地内に大量の土砂が積まれ、雨で土砂の一部が崩落している問題で、堺市は会社による土砂の持ち込みは宅地造成の許可対象にあたるとして、現状を宅地造成等規制法違反の状態と判断。法律に基づき、より強く指導していくことを決めた。この土地をめぐっては、大雨で土砂が崩落する恐れがあるとして、地元住民らが府や市に対策を求めている。
この建設会社の敷地は、以前、別の会社が産業廃棄物処分地として廃棄物の埋め立てを行っていたが、処分終了後に同社が取得した。
ここ数年、同社ではこの敷地に大量の土砂を持ち込み整地していたが、昨年夏以降、雨が降るとしばしば土砂が崩落。隣接する妙見川付近まで土砂が流出していたため、「土砂が川をせき止め、水害を引き起こす恐れがある」として地元の畑自治会や富蔵自治会が府や市に業者への指導を求めていた。
住民の訴えを受けて、府や市は調査を行ったものの、業者は「敷地内で行った整地で出た土砂などを移動させたり、仮置きしたりしているだけで、規制を受ける埋め立てや造成にはあたらない」などと説明。府や市も、指導の根拠となる法令違反はないとして、強制力のある指導はできないとしてきた。
しかし、市は改めて現状を精査し、最近になって「宅地にあたらない」と解釈するのは難しいと判断したという。4月15日、住民に対し口頭で回答した。
市建築防災推進課は「持ち込まれた土砂の崩落などが起きないよう法律に基づいて指導を行うため、会社と協議を行っている。府や他部局とも連携して指導にあたりたい」としている。
これに対し、地元住民からは「1年前から指導を求めているのに、府や市の対応は遅い。土砂災害が起きたらどうするのか」と不安の声があがっている。
(写真は土砂が積まれた現場。整地されているが土砂の崩落跡が見える。2021年4月、地元住民提供)