原山公園再整備で緑道中央に設けられた植栽桝で桜の枯死が止まらない。泉ヶ丘公園事務所と指定管理者である原山公園PFI株式会社は植栽桝(1・5メートル角、深さ70センチ)の使用を断念することも含め、協議に入った。
桝は全部で18か所設けられ、1本ずつアマノガワという品種が植えられたが、整備後4年の間、枯れては伐採、植え替えることを繰り返してきた。その際、土の入れ替えや排水を促進し、根に酸素を供給する酸素管の埋設を実施するなど、改善策を試みたが枯死は止まらなかった。
今年8月27日時点で18本中、12本が枯死。枯死には至ってないものの、半分以上の葉が枯れ、著しく樹勢が弱っている木が2本あった。
緑道中央に設けた桝に桜を植える案は、原山公園PFIが提案し、堺市が了承した。日和佐真之・公園緑地整備課参事は「提案を了承した時点では(桜の生育は)植栽桝でも可能と判断した」と、市側の判断の甘さを事実上認めた。 桝での植栽を断念した場合、桝を撤去するのか、撤去費用は市と事業者どちらが負担するのかなど、今後協議し、植え替え時期の来春までに結論を出すとしている。
泉北は植栽に適さない地層
泉北丘陵には大阪層群と呼ばれる海成粘土層が広く分布しており、植栽には適さない地層とされる。そのうえ植栽桝という自由に根を張ることが困難な場所に幼木を植栽したことが枯死の最大の原因と思われるが、現場に足を運ぶうち、それだけではないのでは、と疑問を抱くようになった。
というのも、原山公園PFIの管理域で、備品に対する落書きが放置されていたり、便益施設の裏に空のペットボトルが散乱していたり、また、広場のソメイヨシノや灌木が枯れていたり、駐車場前に雑草が生い茂っていたりするのを目にしてきたからだ。
南側から原山公園の緑道を抜けると、北側に建つマンションの植栽の鮮やかさに思わず公園と見比べてしまった。マンション前に散水車を乗り入れ、水やりをしていた人に聞くと、3日に一度の頻度で散水していると話した。酷暑だから枯れるわけではないのだ。
市が原山公園PFIに支払う指定管理料は年間およそ5900万円。ほかにプールやフィットネスクラブなどの利用料収入約1億8千万円がPFI側の収入だ(2023年予算ベース)。それでは十分な管理ができない、ということか。