[堺市南区]法道寺の始まり/鉢ヶ峯寺

投稿者 コミュニティ

泉北ニュータウンむかし物語

(郷土史家 檜本多加三<檜尾在住>)

上神谷の奥に、襲峰(おそいのみね)という所がありました。うーんと昔に天照大神が鳳凰となってこの峰に降り立ったから襲峰と言うようになったとか、いや日本武尊(やまとたけるのみこと)が白鳥となってこの峰に降り立ったから襲峰と言うようになったとか、いろんな伝説の土地でした。

襲の峰周辺地図

 


こんな上神谷の奥の峰に、お坊さんが庵を作って住むようになりました。村の人々の言うのには、「とっても徳の高いお坊さんで、庵も精舎(しょうじゃ)と言うらしい」とか、「天竺(てんじく)(インド)の人らしい。播磨の国の法華山に来て、法華経を詠み、密教も会得して、空を飛んで襲峰までやってきたらしい」との話。

村の人々が、恐る恐るお坊さんの所に行くと、お坊さんはお経をあげているだけで、外に出て行く様子もありません。「はて、どうして食べものを手に入れてるのだろう?」と思っていると、ご飯や菜汁の入った鉢が空から庵の中に吸い込まれるように入っていくではありませんか。

これを知ってから村人たちは、襲峰のことを鉢ヶ峰と言い、鉢ヶ峯とも書くようになりました。そして、こんな不思議な能力を持つお坊さんの名を尋ねると法道仙人だということがわかり、この精舎の長福寺をもいつしか法道寺と言うようになったとか…。


 

襲の峯 祠
法道寺向かいにある堺公園墓地の納骨堂近くにある円型の小高い所が「襲の峰」で、小さな祠がひっそりと建っている。現地の案内板にも表示あり。

 

※JA堺市の広報誌「CROP」に連載中の「創作 堺むかし話」から、泉北ニュータウンにちなんだ場所のお話を掲載します。
創作 堺むかし話
記事中に掲載されている情報は掲載日(2026年6月14日)時点のものです。

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