鉢ヶ峯や庭代台・御池台でも
『虫が勝つか、人間が勝つか』。泉北のみどりを守る会が今夏、サクラ等を食害する特定外来生物クビアカツヤカミキリの被害拡大対策として、クビアカの成虫の死骸1匹を100円の金券と交換する作戦を行った。
クビアカの成虫は、6月〜9月に羽化し、300個〜千個の卵を産むとされ、同作戦は、成虫活動期の7月14日から9月22日まで、全6回行われた。のべ137組の人が訪れ、持ち込まれた死骸の総数は、2351匹。同会会員が捕殺した341匹と合わせると、2692匹の駆除に成功した。
捕獲した場所は、三原台・高倉台・晴美台・若松台・茶山台の泉ヶ丘地区が圧倒的に多く、1553匹と、全体の60%近くを占めた。特に晴美台・三原台の被害は深刻で、完全に立ち枯れたまま放置されているサクラも多く見られる。次に多いのが、鉢ヶ峯・畑地区で、445匹(16・5%)。特に、鉢ヶ峯公園墓地で大量発生していることが判明した。庭代台・御池台の被害も多く、324匹(12・0%)。
8月中旬以降は激減
8月中旬以降は、捕獲数が激減しており、同会では、7月〜8月初旬までに、今夏、羽化した成虫のかなりの割合を捕獲できたのでは、と考察している。
同会では、このデータを堺市に提出。一元的にサクラの根元に防風ネットを巻くだけではなく、地域の被害状況にあった適切な対策を取るよう、要望している。特に、鉢ヶ峯公園墓地はほとんど防除策が行われておらず、今後、大きな発生源になりかねないと、同会では警戒を強めている。
なお、この取り組みは、堺市の補助を一切受けておらず、金券交換の財源は全て同会が賄っている。そのため、来年以降もこの取り組みを続けるべく、同会ではクラウドファンディングを実施するなど、金策にも奔走している。
クビアカの幼虫は、2年間、樹木の中を食い荒らしながら成長するため、来年はさらに多くの成虫が羽化するものと想定される。「クビアカを捕まえて、泉北の美しいサクラを守りましょう」と、同会では呼びかけている。