テノール歌手の田中公道(こうどう)さん(赤坂台)が21日2時から、久保惣記念美術館Eiホールで「オペラ歌手デビュー65周年・88歳テノールが歌う“愛”田中公道テノールリサイタル」を開く。18歳の時に偶然聴いたテノール(高い音域の男声)の歌声に魅せられて以来70年間、一筋に磨き続けてきた歌声で“愛”を歌う。
田中さんは1937年島根県生まれ。病気療養中だった18歳の夏、ラジオから聴こえてきた輝かしい高音の歌声に魅かれ、夢を膨らませた時からすべてが始まった。ピアノを弾いたことのない田中さんだったが、アルバイトをしながら一から学び、21歳で島根大学教育学部特設音楽科へ入学。卒業後は、尼崎市大庄中学校で教職に就いた。
子ども達と過ごすかけがえのない日々の中でも、18歳で抱いたオペラ歌手への夢を忘れることはなかった。勤めのかたわら練習に励み、努力が実ってイタリア留学の機会を得る。安定した教職を辞めることに不安はあったが、新婚の妻・宏子さんの後押しもあり1970年、二人でミラノへ。
ここで出会ったのが、音楽家のための養老院で、高音を歌い切った80歳前後のテノール歌手。その姿は、後に88歳で現役を貫く田中さんの道しるべとなった。1973年には、大阪芸術大学の教員任用のため帰国。そして、49歳となった1986年、文部省海外派遣留学で再びイタリアで学んだ。
充実した学びの中で「声の老化」を防ぐ発声法を会得。「加齢とともに起こる声帯筋の劣化などに抗い、修正しながら常に前に進もうと努力する。その繰り返しで88歳まで歌い続けて来られました」と田中さん。
今も精力的に活動する様子を、元テレビ局カメラマンがボランティアで撮影し、ユーチューブで公開している。90歳を迎える再来年、石見銀山でのイベント出演の予定も入っている。田中さんは「いつまでも挑戦を続けられるのは幸せなこと。生涯現役で舞台に立ち続けるのが夢です」と目を輝かせながら語った。
リサイタルは入場無料(入館料必要)。
整理券は1時半から配布、先着120人。全席自由席。
0725・54・0001


