和泉市にある松尾寺は大阪府の重要文化財建造物の指定も受けている由緒あるお寺。境内地は広く四季折々の花も見られる。毎朝、お参りや散歩、体操などで訪れる人も多い。参拝者同士のあいさつはあるが、それ以上の交流がない。そのため前住職の髙岡保博さんは「お互い楽しく会話ができたらいいのにな、接点はないものか」と考え、お寺に来た記録を残そうと約30年前に「健康快歩行」を開始した。
1枚に30回分のマスがある「松尾寺健康快歩行回数表」を作り、本堂前に置かれた「出」の印を回数表に各自捺印する。印が30個たまると事務所に届け、名札を作ってもらう。30回、50回、100回ごとに各自の名札を繰り上げてくれ、千回に達すると賞状と粗品が渡される。
延べ450名が参加していて中には7千回、約30年近く続けている人も。参加者からは「毎日楽しみで励みにもなる」と喜ばれている。髙岡さんは3年前に亡くなったが、その願いの通り捺印場所に居合わせた人同士が会話する姿もあった。
記事中に掲載されている情報は掲載日(2024年8月5日)時点のものです。