[堺市南区]86歳の同窓生3人が 戦争体験や遺族の思いを本に

投稿者 記者・ 浅利

86歳の同窓生3人が 戦争体験や遺族の思いを本に

少年だったあの頃、この目で見て耳で聞いた太平洋戦争の記憶を孫の世代へ伝えていきたい――静かで熱い思いを込めて、86歳の3人が『戦火のなかを生き抜いて〜80年前のわたしたち』を発行した。

いずれも元校長

3人は大学の同窓で、いずれも小学校の校長を務めていた浦岸成光しげあきさん(堺市中区辻之)、坂上淳司さん(堺市東区北野田)、山本好隆よしたかさん(堺市南区釜室)。昨今の国内外の状況に危機感を持った3人は「孫たちの世代にも平和であってほしい。そのために、できる事をして行こう」と決め、昨年11月頃から企画を始めた。

先の戦争での体験や今の思いを書いてもらい、記録して伝えようと友人知人に声をかけた。合わせて27編の原稿が集まり「『孫たちの世代にも平和を』願う会」として、一冊にまとめた本を上梓じょうしした。

3人は終戦時、国民学校の2年生だった。大阪市内に住んでいた坂上さんは、大阪大空襲で味わった恐怖の記憶を書き留めた。浦岸さんは受け入れていた疎開者との暮らし、そして遺族会の人から聞いた思いなどを綴った。山本さんは、上神谷地区戦没者名簿を分析し、戦没場所と年月日、戦没年齢から見えてくる戦争の実相や、上神谷地区148人、美木多地区98人、西陶器地区96人が戦地で命を散らしたことを書き記した。

また唯一、戦地での体験を記したのが最高齢の97歳男性の「ある海軍兵の回想」。ほかに堺、大阪市などでの空襲体験や被爆者から聞いたヒロシマ・ナガサキの体験などが収められている。

今回、編集を担った青木幸子さんは山本さんが庭代台小学校で校長を務めていた時の縁で制作を手伝うことになり、自身も『戦後生まれの私たち』と題した今の思いを寄稿した。表紙やカット画は切り絵作家の畑山良平さん。

78ページに思いが詰まった本は500冊印刷。堺市内全図書館に寄贈している。頒価千円。購入希望は青木さん090・4294・2556

  • 電話で問い合わせ 090-4294-2556
記事中に掲載されている情報は掲載日(2023年5月29日)時点のものです。

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