空きが増えているのは泉北ニュータウンの住宅地だけではない。鉢ヶ峯公園墓地の堺市霊園では、一般墓の空き区画が増えている。近年多くなってきた「墓じまい」の影響が考えられる。多様なニーズに応えようと堺市は昨年度、霊園内に合葬式墓地を新たに整備。昨年11月に実施された第1期申し込みには約300件の応募があった。一般墓から合葬墓への改葬というケースもあるようだ。
鉢ヶ峯公園墓地に最初に開設されたのは、戦火にあった堺市内の寺院墓地や納骨堂から移転した寺院墓地。その後、1975年から市営墓地として、新たに造成した一般墓の公募が始まった。当時は、高い抽選倍率となるほど人気だった。
しかし近年は少子高齢化の影響がここにも押し寄せている。継承者がいない、または継承する子どもが首都圏へ転出してしまった、高齢で管理が大変などの理由で「墓じまい」を考える人が増加。個人で売買はできないため、墓じまい後は堺市に墓地を返還する。市では再分譲しているが、新規利用希望よりも返還の方が多く、空き区画の増加が続いている状態だ。
新たに整備した合葬墓は、一つのお墓に多くの人の遺骨を埋葬する。全体を大きなお墓とし、球体のモニュメントを設置。合同の祭壇でお参りする。公営合葬墓は運営が自治体なので、将来にわたって墓地管理を担ってくれる安心感があり、人気が高まっているという。
堺市では今年度も、合葬墓の使用申し込みを受け付ける。開始時期は未定。
問い合わせは堺市霊園管理事務所072・292・7455