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堺で栽培している「なにわの伝統野菜」を地域の人に知ってもらい、生産農家も増やしたいと活動している団体がある。
南区を中心に約15農家が参加する、堺市園芸優良種苗増殖協議会。
栽培に手間がかかる伝統野菜だが、その歴史と他にはない味を広めていきたいと、意気込んでいる。
なにわの伝統野菜とは、おおむね100年前から大阪府内で栽培されてきた野菜で、苗・種子の来歴が明らかな大阪独自の品種。05年に始まった大阪府の認証制度では現在19品目を認証。「毛馬胡瓜」「田辺大根」「天王寺蕪」そして「堺鷹の爪」などがある。
伝統野菜は病気に弱く、個性が強くて均一にならないため一般的な流通には向かないという。
例えば毛馬胡瓜の場合、普通のキュウリよりも曲がりやすい。
栽培に手間がかかり、一株から15本ぐらいしか採れないので、収益性だけを考えると栽培には二の足をふむ。
同協議会の農家で栽培されたものは、堺共同漬物株式会社(中区深阪)が一括して買い上げ、漬物に加工する。
パリパリとした食感と独特の苦みがあり「高齢の人にとっては懐かしい味で、昔を思い出す思わぬ効果もあるようです」と同会の会長・仲野忠史さん。
またきて菜などで販売
3月末には堺市農水産課、堺共同漬物(株)と協議会の農家らが集まり意見交換会を実施。夏に向けて、浅漬けに加工された毛馬胡瓜は、ハーベストの丘の直売所「またきて菜」や大阪いずみ市民生協、堺共同漬物のHPなどで販売される。