[富田林市]重度障害者のアート展 手やボールなどを使った15人の共作も

投稿者 記者・ 吉田

こころのパラアート展2

3月12~25日、富田林市総合福祉会館で「こころのパラアート展」が開催された。(パラアートとは障害者芸術のこと)

同館1、2階玄関ホールに展示されたのは「四天王寺和らぎ苑」(向陽台)に入所している重症心身障害者が描いた絵画作品。「地域の方々に入所者の作品を観てもらいたい」と、同苑と社会福祉協議会が共催。会館利用者だけでなく、一般の人も観覧に訪れた。

一番大きい作品は入所者15人の表現が合わさった共作。筆をはじめ、手、ボール、灰あ汁く取り、ビニールと様々な技法が用いられている。絵画のほか、施設や作者の紹介パネルも展示され、モニターには作者が描画中の映像が流れていた。膨らませたビニール袋に絵の具をつけて描く技法は興味深く、試してみたくなった。

どの動画もスタッフが手を出すことなく、「うまい、いいよ、すごい」などと、間近でひたすら声をかけ見守っていた。作者の表情や動き、息づかい、間などから、絵を通して自己表現しているのが伝わる。

従来の描画活動では、スタッフが利用者の手を操作することで他動的で過剰な介助になりやすく、その人らしさが見えない本人不在の作品となっていた。

そこで〝活動主体〟の視点から、スタッフが手を直接加えない〝本人主体〟の関わりに変えた。個々の身体特性に応じた姿勢設定や描画方法を検討し、利用者の動きで描ける工夫を行い、アート活動として取り組んだ結果、利用者自身の動きによる「その人らしさ」がにじみ出る作品が生まれたという。

絵はもちろん、画用紙のシワや破れも生命力と躍動感にあふれていてアートを感じた。社協職員の泉川さんは「今後もまた開催していきたい」と話した。

記事中に掲載されている情報は掲載日(2025年5月20日)時点のものです。

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こころのパラアート展2
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