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観光農園・南楽園(南区別所)に、旧陸軍が医薬品を貯蔵するために掘った貯蔵穴倉跡が残っている。園内に計13か所あったが、2か所だけ今も現存。その一つは「洞窟喫茶かがし」として改装し、公開されている(現在休止中)。
南楽園は山林を開墾し、1931年に藤坂果樹園として設立。太平洋戦争中の1943年、医薬品貯蔵所が設置された。藤坂敏基園長の母・和子さんは「当時は馬に荷車をひかせて医薬品を運んできたそうです。作業の間、園内のミカンの木に馬がつながれていたと伝え聞いています」と話す。
1973年には観光農園・南楽園としてスタート。先代の藤坂治徳(はるのり)さんの尽力で1985年、かつての貯蔵穴倉を活用した洞窟喫茶が誕生した。
小高い山のすそ野斜面に掘られた幅約2メートル・奥行き約25メートルの穴倉は、一年を通して気温が約18度に保たれるので夏は涼しく、冬は暖かい。
喫茶のメニューには園内でとれたミカンのジュースや、梨のシャーベットなどがあり好評だったが、残念ながら今はコロナ感染対策のため休止している。
記事中に掲載されている情報は掲載日(2021年12月6日)時点のものです。