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河内長野市南青葉台の荒木正則さん(97歳)が、「第7回シベリア抑留記録・文化賞」を受賞した。
同賞は、シベリア抑留の史実を後世に残すべく、優れた記録作品等を顕彰するため、15年に創設。今年は、同功労賞を荒木さんが、奨励賞を「シベリア抑留体験を語る会・札幌」がそれぞれ受賞した。
荒木さんは、昭和20年、満州の予備士官学校在校中にソ連の侵攻を受け、250キロを徒歩で移動した後、貨車でシベリアへ送還。鉄道建設に従事させられた。飢えと寒さと重労働で、何度も命の危機に陥りながらも、昭和23年に舞鶴へ帰還。会社を定年退職後、陰惨を極めたシベリア抑留の語り部として、各地で85回以上の講演、92歳まで、厚労省のシベリア遺骨収集団に13回参加。今回、それらの活動を評価されての受賞となった。
11月7日、ノバティながので行われた授賞式では、同賞選考委員である、大阪経済法科大学前学長の藤本和貴夫さんから賞状と副賞の『捕虜体験記』全8巻が贈られた。荒木さんは97歳の今も、講演会で使用する映像資料を自ら制作するなど、精力的に活動。今回の受賞でも「この悲劇を広く知ってもらうため、百歳までは語り部活動を続けたい。シベリアで散った戦友のためにも、あと3年は生かせてください」と語り、会場に入りきらないほど集まった来場者から万雷の拍手が起こった。