空から眺める仁徳天皇陵と銘打ったガス気球が原因不明の事故でしぼんで1年半がたった。
大阪・関西万博開催まで半年を切った休日、大仙公園の気球広場を訪れると、ブルーシートをかぶった物体が忘れられたように雑草に埋もれていた。
市は今年2月、故障原因不明のまま、別メーカーの気球で運行再開を目指すと表明したが、木下智尋観光企画課長は10月17日現在、運行再開のメドはたっていないことを明かした。新しい気球とヘリウムガスは堺市と契約する運行事業者アドバンス社(兵庫県豊岡市)が調達することになっているが、資金のメドが立っていないからだ。
木下課長は、万博開幕には間に合わないことを認めつつ、開催期間中の運行を目指したい、と万博への気運がこれ以上、削がれぬよう配慮する一方、気球購入が決まった段階で公表すると話した。
気球事業は堺の世界遺産を世界に知ってもらう絶好のプロジェクトとして永藤英機市長が挙げた公約のひとつ。だが、昨年秋のG7貿易大臣会合までに事業を再開できず、万博開幕にも間に合わない。そんな状況で、永藤市長から市民にひと言の釈明もない。
目標来訪者は35万人
観光企画課は今年度の大仙エリアの目標来訪者数を35万人、万博が開催される来年度は60万人を目指し、観光消費を促進する目標を掲げている。
ちなみに昨年度の来訪者数は、コロナまっただ中の22年度さえ下回る21万1千人だった。