特定外来生物クビアカツヤカミキリの防除は公園や街路樹のほか、学校でも連携した対策が求められる。堺市立小学校ではどんな対策がとられているのか。「施設管理業務仕様書」から探った。
ひと昔前各校に配属されていた技術職員は2012年頃から順次、外部委託に切り替わっている。現在、小学校では一般競争入札で落札した業者が1校あたり年220万円(平均)で日々の業務に当たる(槇塚台小学校を除く)。
所定の業務は多岐にわたるが、人員は通常1人。クビアカ防除に割く時間があるのか疑問だ。そのうえ仕様書にある駆除方法が一風変わっている。「樹勢を損なうことのないよう薬剤散布ではなく、バーナーで焼く等の措置をとることを原則とする」と記載。バーナーで焼くとは珍しい。
そこでクビアカ防除の知見をもつ大阪府みどり推進室・みどり企画課に「バーナー駆除」の有効性について聞いたところ①バーナーで焼く方法が有効という研究結果はない②そような事例も知らない③木にダメージを与えるので推奨しない、という答えが返ってきた。もし、薬剤が子どもに与える影響が心配なら、樹幹注入やネット巻きで対応できる、とも。
だが、いまさら防除法を変更するにも、仕様書にない業務を校長が施設管理員に直接命令することは法的にできない。そのためネット巻きなどは別の業者に委託しなければならない。
また、仕様書では管理すべき樹木の本数が実際に存在する樹木数より極端に少ない学校もあった。御池台小は敷地内に219本の桜を有するが、仕様書で管理すべき桜は24本と記載。
この点について、教育総務課は外周法(のり)面の桜は学校管理課が防除対策を講じる、と話す。
敷地内の巡回業務は施設管理の委託業者が担当するが駆除はせず、同じ市教委でも学校管理課が別途事業者に委託し、法面の防除を実施するのだ。縦割りの中のさらなる縦割りで、学校内業務を分割、連携がとりにくいわけだ。

