南区の公園や緑道で倒木が相次いでいる。昨年度は39件、今年度は8月末までに17件を数えた(=表参照)。
樹種はコナラが多く、いわゆる「ナラ枯れ」が倒木の主な原因。
ナラ枯れはカシノナガキクイムシという体長5ミリメートルほどの虫が樹皮に穴をあけて侵入、幼虫の餌となる菌を持ち込み培養することで、樹木内の細胞が壊死し、通水障害を起こして枯れる。幼虫は夏期に羽化し、飛翔能力は約1キロメートル。健全な樹木を次々と侵す(林野庁ホームページより)。
ただ、今回倒れたコナラの中には葉が青々と茂っているにもかかわらず、根が黒ずみ腐っていた木も見られた、と濱本浩伸・泉ヶ丘公園事務所長。ナラ枯れが原因のすべてではないようだ。
相次ぐ倒木を受け、今年5月~7月に市は3600本の緊急点検を実施、樹木医のアドバイスを受け、職員が危険木の割り出しに当たった。危険と判定された木は順次伐採の予定だ。
南区では市管理域の樹木が特段多いことから、豊川清雄建設局長は議会で「倒木を事前に察知することは困難」として公園や緑道を利用する市民から危険な樹木に関する情報提供を呼びかけたい考えを示した。
ちなみに公園などで見かける目の細かいネットはカシノナガキクイムシの防除対策として巻かれたもの。コナラのほかクヌギやカシなども被害に遭うことが知られている。

