昨年度、堺市に寄せられた大気汚染や騒音など公害に関する苦情は326件で、うち南区は47件(14・5%)あった。
南区の特徴は田畑での野焼き(美木多上、檜尾など)に対する苦情が多いこと。ただし、農業を営むために行うやむを得ない野焼きは法の禁止の対象外。農家には先祖から受け継いだ農法として行うケースもあり、環境対策課では風向きを考慮するなどのお願いをしているという。寄せられた苦情の中に法に触れる野焼きは確認されなかった。
騒音では建設現場(高倉台2丁)や産業用機械の作動音に対する苦情(釜室)のほか、夜通し聞こえるカラオケ店(泉田中の複数の飲食店街)に対する苦情もあった。
大阪府の条例で深夜11時〜朝6時までのカラオケ装置や音響機器を使った営業は原則禁止。同課では各店舗から営業状況などを聞き取り、直接または管理会社を通じて指導を行った。
ほかには、近所の冷蔵庫のモーターがうるさい(晴美台1丁)という苦情もあった。
悪臭では焼却炉から発生する臭い(釜室、美木多上)や、深夜に化学薬品様の刺激臭(宮山台4丁)、農薬臭が洗濯物につく(野々井)などもあったが、担当者が現場到着時に臭気を確認できず、発生原因が特定に至らないケースがほとんど。
水質汚濁では、甲斐田川が白濁(鴨谷台2丁)や、側溝に油膜のようなもの(赤坂台3丁)、観音寺橋下流が白濁(豊田)などが寄せられた。