20戸予定 山肌がむき出し
堺市が民間に売却した竹城台3丁の元市有地(=阪和第一泉北病院の東側)は8月13日現在、開発許可が出ないまま、崖崩れの恐れにさらされている。
6275平方メートルの緑地は今年2月、一般競争入札でオリエントホーム(大阪市浪速区)1者のみが応札。最低価格をおよそ400万円上回る2億3456万円あまりで落札した。
宅地安全課によると、この土地には戸建住宅20戸が建設予定というが、敷地内の樹木が伐採され、斜面際に白いフェンスが立てられたまま放置されている。斜面は切り株や地中根がむき出しで「大雨や地震で崩れる危険はないのか」と周辺住民から心配の声があがっている。
6月7日の市議会建設委員会でも藤本幸子議員(共産・深阪南)が周辺住民の懸念の声を当局に伝えるとともに「市は土地の形状を把握できたはずで、開発の際の対処法を売却条件に盛り込むべきだったのでは」と質ただした。これに対し、斎藤博亮公園監理課長は「今後、住民の不安につながる事項が想定される場合は、可能な限り対処法などを売却条件に盛り込みたい」と答弁。だが、それから2か月以上たっても状況は変わっていない。
ブロックを積むなどの法面(のりめん)保護工事は開発行為に当たるため、開発許可が出ない限り行うことができない。一方、樹木の伐採は開発行為に当たらない(解釈=宅地安全課)ため、現状のような事態が発生したと思われる。
法面に「芝生を張る」と業者
開発者であるオリエントホームは今後、法面には「芝生を張る」としており、宅地安全課もその方法で開発許可に向け協議中であることを認めた。
同社は近隣住民に、戸別訪問で開発に関する説明を行っているが、説明義務が課されるのは土地の境界から15メートル以内のごく限られた数戸だけだ。