市外から堺を訪れる人の動向を知ろうと関連文書を公開請求したところ、市観光企画課は外部委託で実施したWEBアンケートの調査結果を公開した。アンケートは日本語で行われ、回答者に訪日外国人は含まれない。対象期間は2023年4月~24年11月までの20か月間で、項目ごとの結果から本紙は独自に来堺者の動向を探った(数字は対象期間の平均値)。▷どこから来たか=近畿2府4県からが84・3%を占め、次いで東京、神奈川からが8・0%で、全国各地から訪れているとはいえない状況。▷訪問目的は?=観光目的は41・7%。その他、出張、帰省、葬式など観光以外が58・3%を占めた。▷訪れた観光スポットは=最も多かったのは仁徳天皇陵拝所25・1%。次いでハーベストの丘22・1%。意外なところで市役所21階展望ロビーが12・4%。さかい利晶の杜は9・6%だった。ほかに寺社や市の施設も回答候補に挙がっていたが、割合として大差はなく少なかった。どのスポットにも該当しない「その他」が37・1%を占めた。▷日帰りか宿泊か=日帰りが86・5%で圧倒的多数。宿泊は11・7%、わからないが1・9%。▷誰と来たか=自分ひとりが最も多く43・9%。次いで夫婦・パートナーが25・5%。家族や親族が15・1%、友人が7・3%、職場の同僚6・6%だった。
ほとんどが近場からの日帰り
これの結果から、堺市は全国的には観光地と認識されておらず、近畿圏からひとりでふらっと(あるいは出張や帰省などで)訪れる、日帰りの来訪者像が浮かび上がった。
市は「堺市基本計画2025」で今年度、大仙公園エリアへの来訪者数を60万人とする目標を設定したが、24年度の来訪者数は22万2千人にとどまっている。目標達成がおぼつかないばかりか、計画策定時の19年度より7万2千人減っており、観光行政への公費支出の妥当性が問われそうだ。