関連予算膨らむ
大阪関西万博に府内の子どもを無料招待する大阪府の事業や、府に追随する堺市や和泉市の招待事業が不人気だ。
同事業には、校外学習として学校単位で来場を促すものと、それとは別に希望者が申請することで入場券を発行する事業がある。
希望者に入場券を配布する事業では、昨年9月から申請を受け付けているが、大阪府への申請者は3月末時点で堺市では対象者の9・1%、和泉市は18・7%と低迷。前売りチケットの売れ行き不振を自治体の事業として税金で補おうとしたものの、さらに不人気ぶりが浮かび上がった形だ。
大阪府の事業予算は入場券代のほか、さまざまな関連予算を伴い、その額は9億円を超え、事業全体の予算は22億5800万円(23〜25年度当初、補正予算含む)にのぼった。
関連予算の中には、夢洲を会場としたばかりに膨らんだ予算も少なくない。
「森之宮待機所」は子ども専用列車で来場する校外学習の児童生徒が、乗車待ちをする大阪城公園内の施設。その設置・運営費でおよそ1億5900万円。会場建設の遅れで校外学習の十分な下見ができないとの学校や教委の声に対し、トラブルなど緊急対応窓口を会場内に設けたが、その設置・運営費におよそ1億5200万円。
また、会場での熱中症対策への甘さや、高濃度メタンガスの発生、会場隣のコンテナターミナルで見つかった要緊急対処特定外来生物ヒアリなど、夢洲の危険性が指摘される中、府はおよそ4100万円をかけ、チラシやSNSで招待事業の広報に務めている。