1887本の桜にフラス発生 公園・緑道に7千万円
堺市は特定外来生物クビアカツヤカミキリによる桜の壊滅的被害を受け、2025年度当初予算にクビアカ防除対策費9624万8千円を計上した。
内訳は公園・緑道での対策に7044万5千円。道路・河川では1600万円、市立学校で895万円。市民向け防除講習会に85万3千円。
クビアカ対策費は、これまでは各所管課の管理費からねん出していたが、被害拡大が止まらず、クビアカ対策に特化した予算を組まざるを得なくなった。
泉ヶ丘公園事務所の調べによると、南区の公園、緑道でクビアカ被害を受けた桜は1月現在、1887本。伐採対象(クビアカ被害以外を含む)は454本にのぼる(表参照)。
特に甚大な被害を受けているのが鉢ヶ峯公園墓地で、400本以上がフラス(クビアカの糞と木くずが混ざった物質)を複数年排出している状況だ。荒山公園、大蓮公園でも被害木はそれぞれ3桁に及ぶ。
クビアカは桜以外のバラ科植物にも被害を及ぼすとされているため、荒山公園の梅への被害が心配される。
こうした状況から、先述の予算の多くが伐採と処分費用に当てられると見られる。伐採や処分を業務委託する際、幹が太いほどコストがかかるが、クビアカが食害する木は一定以上の太さのためだ。
公園監理課に南区での伐採対象木にかかる費用を聞いたが、田中幸治参事は「現時点で(2月5日=予算公表翌日)で積算できていない」と回答を避けた。
28年度から検証
同課では今後、27年度まで重点的にクビアカ防除対策を実施し、28〜29年度にかけて効果検証を行う。
なお、公園や緑道における防除対策は、これまで維持管理業務を受注してきた業者に上乗せする形で委託するため、堺市公園協会が直接的に防除対策に関与することはない。