仁徳陵を空から眺める「気球」万博開始に間に合わず 業者の資金繰り 議員が市に立て替え迫る

投稿者 記者・ 原

ブルーシートがかけられたままの気球(24年10月頃)

仁徳陵を空から眺める気球事業を本気で進めるのか、それとも、これ以上職員の労力をつぎ込むことをやめるのか。昨年12月4日、堺市議会大綱質疑で渕上猛志議員(堺区選出・堺創志会)が永藤英機市長をただした。

気球は一昨年5月に突然しぼんで以来約9か月間事故原因を探ったが、その後は究明を断念。新たに気球を購入することで再開を目指している。

だが、気球とヘリウムガスの調達に億単位の費用がかかることが課題となり、運行事業者はこの間に、資金調達で奔走。その際、市職員は金融機関に同行し側面的にサポートしてきた、と当局は弁明するが、12月4日現在、資金のめどは立っていない。

渕上議員は「市職員が金融機関に同行しても何の担保にもならない。回収プランを立てた上で、市がいったん費用を拠出し(利用料金収入を得ることになっている)運行事業者から回収する、と腹をくくってはどうか」と迫った。

これに対し、永藤英機市長は「何としても運行させたい。運行事業者をサポートしながら鋭意努力する」と答弁するにとどまった。

新たな気球やガスを調達できたとしても、運行再開には相当期間の試運行が必要。木下智尋観光企画課長は万博開幕には間に合わないとの見通しを立てている

永藤市長の公約である本事業には、大仙公園の基盤整備費としておよそ2700万円の公金が投入され、観光企画課職員のマンパワーが費やされてきた。

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記事中に掲載されている情報は掲載日(2025年1月22日)時点のものです。

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